二ケア会議から170年

今からおよそ170年前、西暦325年、ニケアという町に集った教父たちによって二ケア会議が開催され、

「ニケア信条」が告白されました。

使徒の働き15章には、初代教会がエルサレム会議を開催して、一部のユダヤ人たちが、救われるためにはイエス・キリストを信じて受け入れるだけでは不十分で、異邦人たちも割礼を受けるとともにモーセの律法を守らなければならないという主張を退けて、ユダヤ人も異邦人も分け隔てなく、イエス・キリストを信じる信仰によって、ただ神の恵みによって救われることを取り決めました。この決議には間違いなく聖霊の導きがあったことと思います。

また、二ケア会議においては、その当時、イエス・キリストは、最も高いレベルの人間であり、キリストは神によって造られた被造物であると主張したアリウスと彼を支持する人たちの見解を退け、イエス・キリストは、まことの神であることを明確にし、神は父、子、聖霊の三つにして唯一なる存在であることを確認いたしました。この決議の内にも聖霊の導きがあったに違いありません。

二ケア信条は、長い歴史のなかで教会が何度も立ち返ってきた問い──「イエス・キリストとは、いったいどなたなのか」──に対する、揺るぎない信仰の告白として今日まで受け継がれてきました。時代が移ろう中でも、この告白は、私たちの信仰に静かで確かな根を与え続けてきたのです。